あちこちの言葉を混ぜて来た「これ」は何弁だろう？ のり弁を喰う

今はまだ我が人生を騙らずに コップの水を一息に飲む

わかってる いつか消褪するだろう この恋の肥厚性瘢痕

同行を嫌がった我が妹の兄の纏った面白衣装

かつて島だった僕らと明後日に流されてったボトルメールと

君と何処までも曖昧狂詩曲 喜怒哀楽や愛に逢いたい

メイドロボ実用化ってまだですか？(42歳・匿名希望)

鳳凰の雛が飛び立つときが来た 全力で鳴け黄色いクチバシ

鎖骨とか肩と首との継ぎ目とか甘噛みしたい夜だって ある

ほくろかな？鼻大きいかな？まなかかな？などというふたごの見分け方

訳もなく拳を握る 今ならば仏の顔もサンドバッグだ

「ネクタイを外す仕草はセクシー」 と ガセを信じて今解き放つ

背を丸め なんにもないと奴は言う 渇いてる足音のバラッド

誰かが言う この世は漫画で十分 と 新たな軸に託した望み

病犬の遠吠えがまだ聞こえてる 答を出した気になっている

我が叛気！義憤よ！脳を突き破り不可視の敵を討つ槍となれ

1DK Kは汚い台所 降り積もるいくつかの問題

枯れかけた 孤独に生きる銀杏の木 その中にある音を聞きたい

約束の地まで180mile アメリカ製の黒い自転車

戯言を真に受けてみる月曜日 本気ばかりじゃ疲れちゃうしね

内海にぽかんと浮かぶあの島の片思いはもう消えただろうか

婆ちゃんが即身仏になってから早二十年ですけど なにか？

白銀の翼は穢れ虹色に鈍く光った キミは泣いてた

昨日見た夢については教えない 口座番号ならば教える

何にせよ袋を取った女など駄目と言いつつ持つエコバック

この軸は違う 他生の縁として来世のために触れた袖口

猖獗を極める悪を斃すため蒸着したり焼結したり

じゃんけんで決めな 身体はひとつしかないし ほら寧々愛花 凛子も

何もかも赦されてなどいなかった 群衆に紛れこんだ仔猫

輪廻していつか世界を救うのだ 何かの満ちたペットボトルよ