2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

043:寿(南葦太)

待つことに疲れ果てたと諦めて切れたリチウム電池の寿命

042:至(南葦太)

やみそうにない夕立が罰を詠む僕の乃至は僕たちの罪

041:さっぱり(南葦太)

愛なんてさっぱりわからなかった と 落ちきっていく砂を見ている

040:伝(南葦太)

"ひとつ"にはとどかないからせめて熱伝導率を改善しよう

039:庭(南葦太)

じゃあまたね assたるegoと月の猫 今度こそひとりぼっちの庭

038:抱(南葦太)

雨を抱く 涙を拭う指だけがあり 拭うべき涙はなくて

037:ポーズ(南葦太)

部屋にいた 週末ずっと雨だった 「所詮はただのポーズでしょうよ」

036:暑(南葦太)

灼けきった残渣としての海へ出る暑くあれども熱のない夏

035:罪(南葦太)

空腹でいることすらも忘れてた贖罪を待つ餓狼の唸り

034:掃(南葦太)

死んだとさ 瓦礫の国の王様は人の悪意の掃射の中で

033:奇跡(南葦太)

「危機」「奇跡」「凶器」「啄木鳥」「吸血鬼」「君が大好き」…君のため息

032:町(南葦太)

通過する君の育った町並みは寝息を立てる工場地帯

031:電(南葦太)

だとしても世界は回る 味噌汁に雪のよう降り注ぐ電磁波

030:遅(南葦太)

遅すぎた手紙を書こう また色を変えていく6月の紫陽花