2010-01-01から1年間の記事一覧

043:剥(南葦太)

剥落を抑え欠落さえ埋めて汚損してゆく白銀の羽根

042:学者(南葦太)

学者にもお医者様にもわからない唐突過ぎるリンダの死因

041:鉛(南葦太)

母の手を置き去りにして坂道を往くポンコツに無鉛ガソリン

040:レンズ(南葦太)

あの人を探し続けている彼の覗くレンズの向こうには 夏

039:怠(南葦太)

僕たちは恋することに怠けてる 死ぬほど好きって?死んでみせろよ

038:空耳(南葦太)

もういいかい? まぁだだよ って空耳に人でいられた時間をおもう

037:奥(南葦太)

我が宿敵(とも)よ こいつで幕だ!放つのは今!奥義!猫じゃらしふりふり!

036:正義(南葦太)

プレッシャー掛けられモノをぶつけられ強くなりたい正義の味方

035:金(南葦太)

鍍金した情熱は醒め いつの日かヴァジュラ(五鈷杵)に潰されるまで

034:孫(南葦太)

孫の手じゃかけないとこに触れているあなたの熱にまごまごしちゃう

033:みかん(南葦太)

給食のみかん果汁に染まりゆくカッターシャツの白かった夢

032:苦(南葦太)

眠い って決めつけられる 必殺の苦み走ったイイ顔なのに

031:SF(南葦太)

SFか神話の如く撃ち放つ最古の銃を抱く左手

030:秤(南葦太)

実用上秤量精度100g程度で済んでしまう日常

029:利用(南葦太)

今日は歩こう 帰り道利用して10分ほどの夜のお花見

連作20首:2010年4月の桜

April come she will って言ったっけ だいぶ昔に聴いていた歌加速するための両足 てっぺんは 駅前 つまり君の待つ場所目標は3C出口だってのにやっぱり君は方向音痴過ぎ去った時の分だけすり減ったソールの靴で目指す公園散歩道 四つ葉のクローバー さっき君…

028:陰(南葦太):再投稿

日陰者では終われない反骨の葦の茎なら太くあれかし

027:そわそわ(南葦太)

そわそわと余所見していた間抜けへと落っこちた天罰の雷

026:丸(南葦太)

お見通しみたい 背中に寄りかかる頭の丸み あなたの重み

025:環(南葦太)

鴻は今だ雄飛の時を待つ 環状内回り三周め

024:相撲(南葦太)

あんさんな言うてもそれが相撲どす恋も似たよなもんちゃいますか

023:魂(南葦太)

魂に破戒の印 刻み込む想いながらも穢したあの子

022:カレンダー(南葦太)

境目の並んだカレンダー 今日のその場しのぎと明日の夢と

021:狐(南葦太)

姪っ子よ幸せであれ 着ぐるみのパジャマ(狐)につつまれている

020:まぐれ(南葦太):再投稿

手のひらにまぐれで取れた流れ星(とどのつまりは14のまま)

019:押(南葦太)

押さないし押せない赤いスイッチにこれ見よがされている月曜

018:京(南葦太)

夜の底 K子の夢が開く頃 南京虫の噛んだ心臓

017:最近(南葦太)

置いて行く傘と鼻歌 最近はわりとどこでも手に入るから

016:館(南葦太)

どこまでも異物 首からぶら下げた入館証が作る結界

015:ガール(南葦太)

"Girl"っていっぺん辞書で引いてみな(ガールズバーの不味いジンフィズ)