073:庫(南葦太)

アルコール発酵させなきゃ美味くない後悔を倉庫にしまい込め

072:挟(南葦太)

自販機の狭い隙間に僕もまた挟まってみる 意外に楽だ

071:籠(南葦太)

したはずの妥協がなんか鼻につく隠したはずの死に籠り繭

070:芸(南葦太):訂正再投稿

いい人の仮面は便利 腹芸は使わないって錯覚させろ

069:カレー(南葦太)

寂しさが歯に沁みているような夜 喰うカレー粉の殺菌効果

068:巨(南葦太)

降り積もる有効数字以下の誤差 巨大な星を遠くから見る

067:鎖(南葦太)

核心に迫るつもりがアレレレレ確信を得らRe:RE:Re:RE:連鎖

066:息(南葦太)

凹み過ぎぬよう一息入れましょう無呼吸連打(打たれてる側)

065:酢(南葦太)

死は甘い 腐りかけてる林檎から部屋に漂う酢酸エチル

064:志(南葦太)

生きている線の細さが時々は嫌になる低カロリー志向

063:久しぶり(南葦太)

君を見るのも久しぶり あずにゃんの猫耳に降り積もった埃

062:軸(南葦太)

傾いているのは地軸の方であり23.4°の猫背

061:企(南葦太)

反乱を企てている フリースのチャック壊して酷い目にあう

060:プレゼント(南葦太)

ささくれてしまう指先「わかるかい?朝焼けはプレゼントなんだよ」

059:貝(南葦太)

噛み潰す乾燥帆立貝柱 生きる理由を説明できる?

058:涙(南葦太)

新しい涙が流れていく以上続くバナナの国の闘争

057:紐(南葦太)

前振りに気が付きました フリースの紐の長さを気にするフリで

056:晩(南葦太)

ドアが開く 好きの対義は無関心 一晩寝れば忘れちゃうこと

055:きっと(南葦太)

なんか今ぼきっと折れる音がした(愛という言葉があったよね)

054:武(南葦太)

仙人掌の肌を剥がした手のひらに魂が理論武装解除

053:渋(南葦太)

渋いツラして考えているフリを青い小鳥が嗤ってやがる

052:世話(南葦太)

傷跡と呼ぶべきかまだ傷口と呼ぶべきかなど余計なお世話

051:囲(南葦太)

徒夢を範囲指定で削除する右クリックが微妙に不調

050:活(南葦太)

眠らせた夢は夜中に賦活する 騒ぐな背中羽なんかない

049:敷(南葦太)

毎日に忘れかけてる敷妙の黒髪 夏はとうに終わった

048:謎(南葦太)

砲兵はただ標的を撃つ 空を飛ぶ謎の大仏の生首

047:ふるさと(南葦太)

ふるさとの風を忘れた子狐のだるいエントロピーのかたまり

046:犀(南葦太)

犀だっけ?河馬だったっけ?夢だっけ?ピンクの汗を流すやつって

045:罰(南葦太)

意味のない童話 寝た子を起こすなと知らない人に罰を与えよ

044:ドライ(南葦太)

ネガティブな文脈だけにあらわれて突き抜けていくドライブボレー