連作20首:2009年4月の桜

ワガママを通しちゃうから これからも隣を歩くのを決めたのも



不機嫌な朝の儀式として 君は寝ぼけ眼でお茶など二杯



別々の夢を見ている そう それが? 君の隣の隣は君だ



えっちだな 変な棒を変な穴に入れたり出したりされる耳掻き



そう 多分世の中は間違ってない 君が笑った…他に理由が?



失ったものの大きさ 手に入れたものの優しさ うん まぁ いいや



手のひらに乗るような幸せだとか36℃の手のひらだとか



僕なりの方法論と経験と君の気分で決まる夕食



生きていくことなら別に洒落でいい 君と笑えているから それで



ありがとう 生まれて来てしまったけど僕は君にたどり着けたんだ



僕たちは 「しあわせになりたいんだ」と 言う シンプルで大切なこと



目覚ましを出し抜いて 春 脱ぎ捨てるべきいくつかのもの コートとか



シマシマを越えた向こうに用がある 今ならTop of the world



必要なものは背中を預けあう覚悟というかなんかそんなの



何にせよ人は変われるらしい とかもっともらしく言ったりもする



なだらかに上ったり下りたりでいい この毎日もこの坂道も



望まれているということ 誇りつつ 花よ 僕らが笑うため咲け



それぞれの目線の高さ それぞれの歩幅 僕らは坂の途中で



僕たちのワガママを許してほしい かくあれかし と 望みのままを



上り坂 空も未来もはんぶんこ 2009年4月の桜